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アメリカの御婦人から、一枚のMEMOが・・・

日本の「じてんしゃ」が、戦後の空白をかいくぐって、アメリカをはじめ、世界のマーケットに手を伸ばし始めたのは、1960年頃の事でした。当時、モータリゼーションの盛り上がりもあって、石油不足が叫ばれ世界的に経済は混乱していました。物とお金の偏ったありようが、人間の生活を、とめどなく狂わせた時代だったのでした。当時、アメリカのニュージャージに加勢に出張していた私も、かなり、うろたえていた事と思います。

ある日の朝、寄宿先で少々お年を召した奥さんに呼び止められ、一枚のメモを渡されました。奥さんは、毅然とした態度で、「是を読んで、元気を出しなさい。貴方は、とても良い御仕事をしているのですよ・・・。」と言って去って行かれました。恐る恐る開けた、メモには、次の通り書かれていました。

" Don’t  worry  GAS-SHORTAGE ,

  Think  about  Bicycle !!

  It’s  SUPERBLY  functional. ”

とだけ、手書きで書いてありました。

「何れなくなる、石油の不足なんかにびくびくしなさんな!自分の扱っている、”じてんしゃ”に深い自信を持ちなさい!これこそ、格別に素晴らしい働きをする人間の友です。」

私は、帰国してすぐ、開発中であった、最高級の変速機に 「SUPERBE」の商標を冠にする事を定め、アメリカのご婦人に感謝の意をあらわしました。

“じてんしゃ”、それは働きが良く、従順で、何の報酬も求めない、おそらくこの世の、最も信頼できる「人間の友」と、心からなる讃辞と謝辞を贈り、この項をひとまず閉じます。

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